年末最終日終値に対して年始始値が高い傾向にあります。
この理由について解説します。
日経平均年末終値→年始始値の騰落率
20年中13年で年始始値のほうが高く、勝率65%です。
中央値は+1.1%、平均値は+0.4%です。
確かに年始の始値のほうが高い傾向にあります。
ということは年末終値で株を買い年始始値で株を売れば儲かることになります。
年始始値が高い理由①税金対策
12月までで確定損益がプラスである場合、その利益に対して20.315%の税金がかかります。
ここでの損益は年間の通算で考えます。
なので、含み損を抱えている場合、年内に損切りをして確定させると利益が減り、支払う税金を減らすことができ節税対策になります。
これだけ節税できればみんなその動きをとりますよね?
一度損切りをするものの、もともと含み損のまま保有していたということは、これから上がると思っているということなので、また翌年初日に買い戻すことが考えられます。
まとめると下記のようになります。
年始始値が高い理由②年末のリスク回避
一般的には12/31~1/3まで株式市場はお休みです。
この4日の間に悪材料が出る可能性があり、それを回避するために一度売ります。
そして年始に買い戻します。
年末年始は相場を気にせずにゆっくり過ごしたいという考えもあるでしょう。
その他の考察
ここまでで「年末に税金対策で売る人が多いので株価が下がり年始に買い戻す人がいるので株価が上がる」ことがわかりました。
それ以上に何か傾向がみられないか検証しました。
その他の検証①年内に儲かっている人が多いほうが傾向が強い?
答え:関係がない
そもそも年内に利益が出ていない場合は年末に急いで損切りをする理由がありません。
むしろ来年儲かるかもしれないので含み損を持ち越したほうがいいはずです。
ということは、年内に株価が上がっているほうがと年末年始騰落率が高いはず。
と考えましたが、年内騰落率と年末年始騰落率には関係がなさそうです。
その他検証②12月に株価が上がると年末年始騰落率が高い?
答え:12月に株価が上がっていると年末年始騰落率が高い傾向にありそうです。
12月株価がプラスのとき、83%の確率で年末年始騰落率がプラスです。
12月に株価が上がっていると含み益が増えている状態になりますので、心理的に損切りがしやすいのかもしれません。
そして年末を振り返る好調な株価を見て年始に株を買う人が多いのでしょう。
まとめ
日経平均の年末終値に比べて年始始値が高い傾向にあることがわかりました。
そして12月の株価が上がっている年はその傾向が強いことがわかりました。
1つの投資判断材料にしていただけると幸いです。
コメント